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『ゼロを考える-良い日と悪い日のお話』小話

暦を見ていると、面白いことに気づきます。

天赦日や一粒万倍日などの吉日と、仏滅(物滅)のような日が重なることもあります。

完璧に「良いだけの日」というのは、案外少ないものです。と言うか、無いのではないでしょうか?(情報を増やせば増やす程)
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仏教では、迷いの世界を「三界」といい、その一つに「欲界」があります。

欲界には、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天という「六道」の世界があります。

その中で人間界は、苦しみもあれば楽しみもあるような、そんな中間の世界です。

ここで、人間界を数直線の「ゼロ」にたとえてみます。

+(正)は快楽で
−(負)は苦しみ。

これは、+だから良い、−だから悪い、という単純な話ではありません。

快楽に溺れれば、執着が生まれ、それが苦しみに変わることもある。

反対に、苦しみを通して、自分自身や生き方に気づくこともあります。

だから大切なのは、
+にいるか、−にいるかではなく、

どちらに振れても、
心の原点(0)へ戻ってこられることではないでしょうか。

欲望を海にたとえるなら、
海をなくす必要はありません。

海を渡る術を身につければ、
溺れずに進むことができます。

怒りや苦しみを炎にたとえるなら、
炎をなくすのではなく、
上手く扱えばエネルギーとして生かすこともできます。

そうした「心の扱い方」に、
密教の教えの一つがあるのだと思います。

仏教でいう悟りも、
単純に「+の状態になること」ではありません。

快楽にも苦しみにも執着せず、
そのどちらにも振り回されない智慧を得ていくこと。

人生には、必ず振れ幅があります。

だからこそ、その振れ幅の中で、
自分にとっての「心の原点」を探していく。

それもまた、
人生なのかもしれません。

合掌

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