『お供えの花の向き』小話

暦の上では春が訪れ、緑が映え、色とりどりの花々が生活を彩り始めています。17日は春のお彼岸入りで、観音様の縁日です。観音様が左手に持つ花は、仏教において「慈悲」を象徴しています。全ての人々をお救いくださる慈悲深いお姿です。
さて、花をお供えする際、花の顔は仏様の方ではなく、私たち人間の方を向いています。いつもお供えしてくださっている皆さまも、無意識に花束の綺麗な面を自分たちに向けて献花しているのではないでしょうか?
お供えなんだから、きれいな面を仏様に向けるのが正解なんじゃないのか?と思われる方もいるかもしれませんね。
なぜきれいな面が私たちの方を向いているかというと、それは仏様の慈悲心が私たち(衆生)に働いていることを意味しているからです。美しいものを見ると心が安らぎます。その安らぎを他人に向ける優しさの大切さを、仏様は教えてくださっているのです。
もしあなたが、きれいなお花をお供えしたら、その次にそこへ来た人は
「ああ、きれいなお花だな」
と思うことが出来ます。あなたの慈悲が、誰かに渡ったのです。そしてその人が、次の誰かに慈悲を渡していく。
これこそ、やさしさの連鎖反応。
観音様は千手観音、馬頭観音、十一面観音など、さまざまなお姿に変化します。三光寺にも如意輪観音や、龍の背に乗ったお姿など、たくさんの観音様がいらっしゃいます。ぜひ、お気に入りの観音様を探してみてください!
合掌